「美優花ちゃんって絵も上手いんだ」

美術の授業で絵を描いていた。

美術の授業は比較的自由で、席の移動も可能だしお喋りしても怒られない。

そんなゆるゆるの状態で絵を真剣に描く人なんて殆どいなくて、教室ではあちこちから恋バナやら悪口やらが聞こえてくる。




恋バナも悪口も面倒な私は、この教室では貴重な真剣に絵を描く人になっていた。



絵を描くことは割と好きだ。


自分の思い描いた世界を絵という形として表すことができる。


だからか絵を描く手はすいすいと進んだ。