私がいなくなって、半狂乱で泣きわめいていたんだ。
寂しかったね。ごめんね、みなみ。

でも嬉しい。
私はてっきり、きみにとってママはただのおっぱいマシーンくらいの存在だと……。


「うーっ!ううーっ!」


みなみが私の胸元に顔を押し付け怒り出した。
ゴンゴンと頭突きして唸っている。

あ、やっぱりおっぱいはいるのね。
飲みたいのね。
前言撤回。まだ、私は彼女の食料程度の存在だ。


「ゼンさん、ありがとう。おかげで少し息抜きができました」


私はソファで授乳をしながら、ダイニングのゼンさんに声をかけた。


「いや、逆に気を使わせた。もう少し精進するから待ってくれ」


精進って、みなみの育児の?

ホントこの人、イイ男だわ。


「ゼンさん、大好き」


私は嬉しくてニヤニヤ笑った。
私の外出は、ゼンさんにはちょっとした試練だったみたいだ。