奏平、センセー。あたしなんかを愛してくれてありがとう。
(あたしは、嘘のない生き方をしたい)
寒空は、いっそう深まるばかりだった。
次の日、学校へ行くと。
「あ、あいらちゃん。おはよー」
優衣が笑顔で、近寄ってきた。相変わらず、孤立している。
あたしは頷いて、
「おはよう、優衣」
ちゃんと答えてあげた。
「先生は、どこにいるの?」
「え…と」
優衣がセンセーを好きだったのを思い出す。
何と言おう。悩んでいると。
「優衣ちゃん、センセーは諦めたほうがええで。
彼女おるし」
「え、そうなの!?」
嘘じゃないけど…、奏平。あたしはこの状況で何て言えば…。
「な?あいちゃん」

