【あいら-Return-】

今日もいつも通り、夜中センセーに会いに行った。

でも、最悪の事態が起きた。

「…あいちゃん、何しとるん」

奏平が、驚愕の眼差しで見つめていた。

抱きついていたセンセーを少し離した。

「えと…その…」

「俺が会いに行ったんだよ。コイツ呼び出したんだ」

奏平の前で、平然に不良口を叩いた。

「駄目、そんな言い方っ…」

「教師を辞めたっていいぜ。お前がばらすならな。

だけどコイツだけはぜってェあげねぇよ。

奪われてたまるもんか…。

俺の学生時代、死んだ恋人のように離れて欲しくねぇんだよ…!」

一瞬、外の空気が冷たくなった気がした。

あたしは、もう1度尋ねるように、センセーにしがみついた。

「どういうこと…?」

「俺が人生でホンキになった女だ。

ソイツはまだ16歳で死んだんだよ…」