真希は笑顔で、近寄ってきた。
「ちょっとサボっちゃった。ごめんなさい」
皆に謝ると、頭【カブリ】を振った。
「あいらちゃん、委員会決めしよー!」
その時気づいた。このクラスを。
完璧に優衣をのけ者にしていた。何かのターゲットにされたように。
そしてあたしはこのクラスの、ヒーロー的存在。
(あたしはそんなの、嫌だな…)
優衣のところに近寄って、話しかけた。
「ねぇ、委員会どこにする?」
「あいらちゃん…。私は庭園委員会がいいなぁ」
「そか、ちょっと待ってて」
皆に承諾を得て、優衣を庭園委員にしてもらった。
あたしは悩んでいると、奏平が傍に来た。
「あいちゃんは、俺と一緒の文化委員会」
「文化?」
「色んな飾り物作るんや」
「わ、楽しそう」
口元が緩むと、奏平の笑みが深まった。本当に嬉しそうにも見えた。

