そこにセンセーがいた。
凛々しい顔をしているけど、やっぱりカッコいい。
「あれ。センセーこそ、サボりなん?」
「犬賀…、疑いたくなるのは確かだが。
教室で皆待っている。お前らがいないって」
「あちゃー…、でも俺はここにおるよ」
「奏平…」
「それにあいちゃんにまだ、話があんねん」
センセーを見ると、ため息をついていた。
「馬鹿な話はよせ。ここは学校だ。せめて放課後にしろ」
冷たく言うと、奏平はうな垂れた。
「…センセー。奏平と少しだけ話をしたいの」
「…そう、か」
あたしが言えば、簡単に引き下がる。
奏平は不思議そうに見つめていた。
先生が出て行くと、奏平がすぐに言葉を発した。
「なぁ…あいちゃん。センセーのこと好きなん?」
奏平はホント、昔から勘がいいんだよね。

