「はーぁ…。何やねん。あいちゃんはドコ行っても人気やなぁ」
奏平は小さく呟いて、教室を出て行ってしまった。
あたしは心配になって、追いかけた。
「奏平っ、どうしたの?」
案外奏平の歩くスピードが速かった。
「何でなん?前の学校だって、あいちゃんは人気やったやん」
屋上に入って、手すりのところに奏平はもたれかかった。
「…違う。あたしは苛められてたからこの学校に来たんじゃない」
「あぁ。そうやったな」
うな垂れるように、その場に寝転んでしまった。
あたしも横に寝転がる。
「空は、いつも青いなぁ」
「夜は暗いよ?」
「俺は変わらない日常が好きや。正直、中学生の時はあいちゃん暗くて。
俺はいつも心配やってんで?」
「お父さんみたいだよ、本当に」
「小さい頃、俺をここの場所に迎いいれてくれたのは、あいちゃんやった。
ずっと好きやったで」
まっすぐな、告白に何て言えばいいのか分からなかった。

