「あー…、泣かしたらあかんやん。俺あいちゃんを泣かすヤツとは、付き合えんわ」
「…奏平クン?」
「あんた。端【ハナ】からうざいねん」
そうだ、奏平の性格は言いたい事を全部言うんだ。
「あいちゃん、言い返して偉いで」
「奏平、言いすぎ。あたしは味方になれなんて言ってない。
彼女を傷つけてるよ、その言葉は」
奏平の悪いところは、周りが見えているようで、見えないところ。
「…あいらちゃんは優しいのね。私、好きになっちゃった」
「へ?」
クラスの騒然とする、声が聞こえた。
あたしよりも奏平が驚いていた。
「奏平クンなんかより、あいらちゃんの方が魅力的。
好きになっちゃったかも…」
「ちょちょ…、あたし。オンナには興味ないよ!?」
「そうやで、あいちゃんを好きなんて気安く言わんといて」
真希が真剣な眼差しで睨みつけていた。

