学校へその後すぐに行くと、奏平は

「なぁ、あいちゃん。今日は帰り帰れるやんなぁ」

「んー…いいよ」

「なんで今迷ったん?」

ずばっと言われると、確かにと思った。

(放課後先生に会えるかな…。こっそり行くなんてちょっと失礼かも)

でも会いに行きたい自分がいた。

ふと我に返ると、奏平は不機嫌そうにしていた。

「あいちゃん、彼氏とか出来たん?」

「っへ、どうして?」

彼氏というか、曖昧な感じだから何とも言えない。

「い、いないよ」

そういうと奏平は、そっか。と小さく頷いた。

「あいちゃんは俺と結婚やもんなぁ」

「そ、そうなの!?」

驚くと、奏平の表情は少しだけ俯いた。悲しいようにも見えた。

「…あいちゃんは何も知らへんもんなぁ」

「え…?」