旅行計画は、色々進み。
修学旅行で行った京都の近くの、大阪に決定。
「春休み、行こうか」
類が鞄を手にとって喋る。あたしが頷いて、奏平を見つめた。
「ええで」
話がまとまり、廊下に出たとき。
ふと教室を振り返った。
皆は先に行ってもらい、奏平と廊下で2人。
「何か、卒業はもうすぐなんだけど…。ここでいつもセンセーとバイバイしたよね」
「そうやんな…」
「あたしの世界には、当たり前にセンセーがいた。
でも今は奏平が当たり前にいてくれる。
あたしはそれだけで幸せだよ」
「知っとるよ、あいちゃん。ホンマは寂しいんやろ?」
「…ん」
「強情なとこは、昔からやんなぁ…」
「苛められてたとき、奏平の存在に助かってた。だからこういう形で、ちゃんとあたしも助けたいんだ」

