センセーは自分が不良だと言わなかった。
最近はあたしと夜一緒にいるし。
センセーと家に帰って、玄関に入る。
「あ、センセー。ごめん、電話」
丁度外に出て電話に出た。
センセーは家の中で待ってる、と言った。
『あ、あいら?』
「お兄ちゃん!」
何故かとても焦った感じだった。
『…お前、桜尾ってヤツ知ってるか?』
「え…?」
風が大きく吹いて、あたしの頬を撫でるように去る。
「桜尾って…」
『アイツ、また不良を続けてるかも知れないんだよ。
こっちの国ですら、知っているメンバーに加わったらしい』
「待って、お兄ちゃん。カレとは…」
『もういい、俺は1回帰国する。お前不良なんかとつるんでたら、俺怒るからな』

