カレはひゅっと逃げていった。
「告白増えてるのか?」
「まぁまぁ」
「…センセーの彼女の自覚あんの?」
「一応あるよ」
「お前、ぼけっとしてるもんなぁ…」
「へへ」
「髪、少しくずれてる」
「え、ホント!?」
両サイドのところをみつあみで、結ってある。
それがくずれると類が、手際よく直してくれる。
「美容師とか類はならないの?」
「あー…、それもいいかなって思ってる」
「へぇ、類らしいな。他にも何か候補あるの?」
「サッカー選手ってのも、最近はいいなって思う」
「そか」
髪を簡単にすぐに直してくれた。
「わ、ありがとう」
「どういたしまして」
「夕暮れも終わりだね…、ボールも磨き終わったし。帰ろうか」
「もう磨いたの?」
「うん」
「さすがだな」

