「『たかなし』です」



「小鳥と遊ぶって書いてたかなしって読むのか!なんで?なんで?」



そんなん私が知るわけないやん!



「知りません、ググってください」



「あっはっは!お前おもしれぇわ!」



「なんもおもしろい要素らないわ!」




あ、ついタメ語に……
しばかれるかも…

ていうか頼むからもう話しかけんといてくれーー



「おぅ、やっぱ敬語よりそっちの方が
落ち着くわー

てか生で関西弁初めて聞いた!
やっぱあんたおもしれぇな」


そう言ってそいつはニカッと笑った



関西弁喋ったら面白いってその基準絶対
間違ってる




でも一瞬だけ子どものように笑っているそいつがちょっとだけ可愛く見えた




ほんま一瞬、0.001秒くらい一瞬


たぶんイケメンやからか…



不覚。




「俺、橘日向(たちばな ひゅうが)
よろしくな」



「あー、はいはいよろしくねー」



最悪…、…ってあれ?


「今なんて言うた?」



「あ?だからよろしくって」



「ちゃう!名前!」



「たちばな ひゅうが」


ひゅうが!?
ひなたじゃなくて!?



「日向ってかいてひゅうがって読むん!」


「あーそれ、よく間違われんだよな」


「うち、ひなたっていう女の子やと思ってた」



「まじかよ!それは初めてだわ
あんた結構ばかだな!」




はーーーー??

はらたつ!



「初対面の人に向かって相当失礼!」


「ホントのことを言っただけでーす」



「あー、いらってきた。
しばきたい」



「口悪ー、そんなんじゃ彼氏できねーぞ」



「大きなお世話っちゅうやつじゃ!」




「なんなら俺が代わりになってやろうか?」





「きっも!
それこそ大きなお世話じゃ!」


「キモ言うな」





こんなやり取りをずっとしてたせいで

この後みんなから1ヶ月ぐらい
『金髪と仲良い女ヤンキー』
的なイメージで見られて距離を置かれた



『クソヤンキー野郎』

これがうちのコイツに対する第一印象だった