「ふゆ、やばい、これやばい、あかん、
これ、むり、なにこれ」


何を言いたいの、瀬奈ちゃん
だいたい分かるけど普通なら分からんよ




「緊張しすぎやろ
私結構こういうのおもしろいから
好きやで〜♪」


「冬、あんたまじで無敵な
普通緊張するから」



「まぁ心配せんでも、瀬奈は人見知りやけど愛想はええからすぐ友達できるって!」



「そうかな、不安しかないわぁ…」



「ほら、そんな沈んだ顔してたら陰気な子に見られるで!笑え!
いつものミラクルスマイルかましたれ!」




「ミラクルスマイルて何やねん!
恥ずかしいからやめて!」



私が瀬名の背中をポンッと叩いてボケを言うと瀬名のいつもの笑った顔が見れた



ちょっと緊張ほぐれたかな?





さすがに席が瀬奈と隣同士とか奇跡的なことはなかった


でも割と近かったので内心やっぱり嬉しかったりする




机には自分の名前、出席番号が書かれた紙が端っこにはってある


自分の名前を探してその席に座った


となりの席の人まだ来てないなぁ
どんな子か気になる〜



名前の順だから男子も女子もばらばらで名前だけでは性別も分からない




チラッと隣の席の名前を見ると
そこには橘 日向と書かれていた



『たちばな…ひなた』?


ひなたって女の子かな
なんかふわふわしてるっぽいイメージの
名前やな



早く来んかな〜



そう思ってた時…




ガラガラッ





ドアが開く音と共にクラスのザワザワしていた空気が一変し、一瞬シーンと静まり返った





もう先生来たんかな



入口の方を見ると、

思わず二度見してしまった



「金髪」「ヤンキー」「イケメン」


たぶんみんなの頭は今その単語でいっぱいだと思う