…啖呵切って出てきたのはいいけど、
やっぱ夜の学校ってこわい
昼間と感じ全然ちゃうやん
「もう最悪」
意地はらんとついてきてって素直に
言うたらよかった
タン
ん?
タンタン
足音?
今の時間みんな帰ってる時間やのに
え、なんかだんだん音近くなってきた
こっち来てる?
え、もしかして
ひょっとして、もしかしなくても、
もしかして……
おばけ?
うそやろ
やめてやめて
こわい、ほんま嫌、ほんま無理
助けて
足が立っていられないほど震えだした
『今までで一番怖い経験をした時のことを思い返せば怖くなくなる』
とかなんとか瀬奈に聞いたことがあって思い返そうとしたが
頭の中に出てくるのは貞子やら怖い番組で出てきた幽霊やらで
余計に恐怖心が煽られ、私の精神状態はしっちゃかめっちゃかだ
私は立っていられなくなりその場に座り込んでしまった
「誰か…」
その誰かがフッと真っ先に頭に浮かんだの
は、瀬奈でもお母さんでもお父さんでもな
く……
橘だった。
「たちばな」
タッタッタッタッ
そう口から出た瞬間、誰かが後ろから物凄
いスピードで走ってきて私の肩を強く掴んだ
「やっ…」
怖すぎてか細い声しか出ない
本当に怖いときは声が出ないのか
もうだめだと思ったその時…
「ハー、ハー、小鳥遊!」
私の肩を強く掴んでいる誰かが私の名を読んだ
これは、聞きなれた声だ…
いつも聞いている声…
私が今、一番聞きたかった声…

