……


「「やっと終わったああああ!!」」


長かった作業がようやく終わって思わずハイタッチ




後は先生の机に書類を置きに行くだけ!



肩こった〜








「今何時やろー」



時計を見るともう6時半



カーテンを開けるといつもはこの時間だとまだ明るいはずなのにもう真っ暗になっていた




作業に集中しすぎて外が暗いことに気づかなかった



「え!まだ6時半やのに暗すぎやん!」


「もう秋だからなー」


「やばい!はよ帰らな!」



てか、今の外の暗さ相当真っ暗なんやけど…



「何か用事あったのか?
先帰っても良かったのに」



「いや、そういうんじゃないんやけど…」


こいつにだけはバレたくない
平然を装わな……




「あ、もしかしてあれか」



ギクッ




「お前暗いとこ怖いんだろ」






ほらな
めっちゃニヤニヤしながら聞いてくる





めっちゃめんどくさいことになるからこいつにだけはバレたくなかったのにーーー。





「怖いっていうか…ちょーっと苦手?
ちょっとな!ちょっっとだけ苦手みたいな感じのやつ!
ほら、あれやん?暗いところ程不審者とか多いやん?こんな、か弱い女の子絶対狙われるやん?あはははははははは」





「どこに、か弱い女の子がいんだよ
なるほどなぁ、へぇ~
お前結構可愛いとこあるじゃん」




「だからちょっっとだけやって!」




「はいはい分かったって♪」



ムカつくわー。




「はよ出しに言ってはよ帰るで!」


「小鳥遊が出してきて」


「え」


「出しに行くのに二人もいらねぇだろ
荷物まとめて待ってるから行ってきてー」


こいっつ!!


「何でや!ふつう女子一人で行かすか?
はよ行くで!」


「たかちゃん、
そんなに俺についてきてほしい?」




またこのニヤニヤ顔

コイツ絶対わざとやってる!




私が思いっきり睨んでいると
急に橘がこちらに向かって歩いてきた


ついて来てくれるのかと思いホッとしたのもつかの間。



ロッカーに背中を追いやられ
橘がロッカーに手を付き
私をロッカーと自分で挟んでいる状態にしたのだ



これは、あれか
噂の壁ドンか




てか!顔が……


「な、何!?」



「んー??」



「んー?じゃなくて!
近いっっって!!」



そう言って橘の体を押すもビクともしない


足腰強いなおい!



「も、ちょっと、距離、を、」


「暗いの怖いんだろ?
じゃぁ『怖いからついてきて』って
可愛くおねだりしてみな
そしたらついてってやるよ」




カッチーン





「はぁ!?もうええわ!
私一人で行く!ど…っけ!」


「!ってぇ……」



私は橘の足を思いっきり踏みつけ
勢い良くドアを閉めて教室をあとにした


あんなやつもう知らん

ほんま嫌い