誰か人が来たのかと思って扉の方を見たが誰もおらず、私に向けられた質問という事が分かった



「え?」


質問の意味がいまいち分からず聞き返すと少しイラっとしたようで橘の口調がまた少し荒くなった



「だから、お前の好き奴、誰?」



「いや、誰って…」



「俺の知ってるやつ?」



「あー、えっとー、」



「おんなじ学校?同級?」



「ち、ちょい待…」





何?この質問の嵐

こわいこわい目が怖いってー!




「…嘘です」



「は?」



「だから、好きな人おるって言うたの、
嘘です」



「…………」



うわー黙らんといてーーー
え、怒ってるん?怒ってるん橘くん?
嘘つかれて激おこな感じですか?


急にまた教室が静まり返った
絶対めっちゃ怒られる

…と思っていたが、


「んだよ嘘かよ
馬鹿かお前、そんな嘘ついてどーすんだって!」


急に満面の笑顔になった



分かってたけどやっぱ変な奴やな



「てか橘がそんなに私の恋路に食いついてくるとは思わんかったわ」



「なんで?」



『なんで』??




「なんでって、なんとなく?」



「気になるだろ、お前の好きな奴とか」



あー、私やっぱりみんなから恋してなさそうなイメージで見られてるんか




「やっぱ私みたいなのはどんな人を好きになるんか気になる?」



「うん、気になる」




「結構ふつうやで」



「お前ってさ、実際どんな男がいいの?」




「んー、ずーっと優しくしてくれんでもいいからほんまに辛い時とかに側におってくれる人がいいかな

あと、何てことないことでも一緒に笑えたり、アホなこと一緒にいっぱいできたり、なんにもせんでも一緒におるだけで幸せ感じれたりとか、そういうことできる人がいいなー。」



「ふーん」


……ってわぁぁぁぁぁ!!!
何一人で語っちゃってんの自分!!

恥ずかし!!
笑われる……