「冬って橘のこと好きなの??」
昼休みに瀬奈がいきなりすごい質問をぶっこんできたもんやからお茶を吹きそうになった
「な!?はー!?
何言うてるん!?
どこをどう見たらそうなるん!」
そう、女子からの視線が刺々しい理由は
これらしい
ほんま勘弁して欲しい
「え、違うの?
だってすごい仲良いいし」
「やめれ!ないから絶対!」
私が、橘を…とか、有り得なさすぎる
全く想像できん
「なんだー残念ー。
恋でもしたら冬のガサツな性格もなんとかなると思ったんだけどなぁ」
「そんな簡単に変わりません。」
「どうかなー?
好きな人の前ではやっぱ可愛くいたいもんでしょ?」
そんなもんなんかな
恋したことなんかないからそういうもんが
どうも分からん
まぁ、そりゃ現実にキュンキュンっちゅうもんを感じてみたいって思ったりするけど…
その相手があの橘とか…
いやー、ないないないない
サンドイッチを頬ばろうと口を大きく開けたと同時に教室のドアが勢い良く開き、ただならぬ雰囲気の見知らぬ女三人が入ってきた
何事だと教室中が騒ぎ出したとき
その中で最も目立っている女が口を開いた
「たかなしふゆ!!」
「…へ?」
今私の名前呼んだ?
その女を仮にA子とすると、
A子が私の名前を読んだ瞬間にみんなの視線が一斉にこちらに飛んできたものだから
普通に見つかってしまった
いや別に隠れてたわけではないけど…