だからびっくりした。 「あたしは、慎矢先輩じゃなくて…斗馬先輩のことが…好きでした」 俺のために別れたのだろうか。 本能的に、キスしていた。 髪を触っていた。 でも、一希のことを思い出したら『だめだ』と思った。 「ごめん」 なんで一希を優先させたんだろう。 自分で思ってる以上に、『傷つけさせたくない人』なのかもしれない。 一希も、安達さんも。 だからどうしたらいいのか分からなかった。