飾り、だなんて認めたくない。


でも、所詮そうでしかない。


親に頼らないと駄目なうちは、飾りでしか見られないのだから。


いや、飾りはまだいい方ね。


下手したら、お荷物としか思われないもの。


『貴女は立場を求めてる。でもそんなもの、なんと役にも立たないわ。いくらいい立場にいても、上に立つ者としての覚悟が無ければ、足場から崩れていく』


唯「桜ちゃん、何が言いたいの…?」


伝わらない、かな…。


『立場、権力、お金。そんな物より大切な物、それが分からないと誰かに愛されるなんて絶対に無いわよ』


誰かに愛されたいなら、自分から歩み寄らないと。


全てを捨ててでも、その人を護ろうと思わないと。


少なくとも、そんな偽物の鎖で縛りつけようとしているうちは、誰も愛してくれないわ。


『嘘なんて誰でもつく。もちろん、私もね。でも、貴女の嘘は、許されるものでは無いわ』