蒼「いや、さっきの言葉は少し違うかな。俺だけでなく賢人と雅人も巻き込まれるつもりみたいだからね」


「そうだったの?!」


蒼「うん。柚木は別の方法で唯斗を手助けするって言ってたよ?柚木は桜ちゃんみたいにケンカ出来ないからね。あの子は簡単な護身術しか身につけてないから」


「…、どうして?僕、何も言って無いのに」


何も相談してなかったのに。


蒼「そんなの、決まってる」


え…。


蒼「俺たちはただ、幸せになって欲しいそれだけだよ?それ以外に理由なんてない」


「…ほんと、優しいな」


蒼「優しくなんてないよ。救われて無いのは賢人達と唯斗と桜ちゃん。でも賢人達は自分たちでは気がついてないけど、多分救われてるんだ。まぁ、俺の憶測でしかないけどね」


確かに、賢人達は桜ちゃんと出会う前と後じゃ笑顔が違う。


前まで本気で笑ってなかった賢人は心から笑っていて。極度の女嫌いだった雅人も、少しずつだけど女の人が居ても普通に話す事が出来る様になっている。


「それも、桜ちゃんのお陰かな…」


蒼「うん。だからね?後唯斗と桜ちゃんの二人だけなんだよ、救われて無いのは。俺らは、今まで沢山の人を救って、幸せにしてきた桜ちゃんに恩返ししたいだけ」


恩返し…?