-唯斗side-


-カチャ


「…ただいま」


旅行に行った日から既に何日も経って、今はもう夏休みも明けている。


あと1ヶ月もすれば文化祭。


でも…、僕の時間は、“あの日”から止まっている。


クラスの空気も、桜ちゃんが居なくて暗い様な気もする。


でも、気がするだけで実際は変わっていないのかもしれない。


だって…、皆笑顔だから…。


所詮、そんなもんなんだって思ったら…辛くなった。


唯でさえ桜ちゃんが居なくなって笑えなくて、一人で思い出しては、夜に泣いていたのに、もっと笑えなくなった。