-柚木side-


お姉ちゃんが私たちから離れて、数時間がたった。


皆、何もする気にならないのか、リビングに集まってただ、座っている。


話すこともなく、ただずっと。


そして、夜を迎えている。


-カチャ…


「あ…。蒼…、どうだった?唯くんは…」


蒼「ダメだった…。暫く、一人にしてほしいって言われたよ…。」


そっか…。


「記憶がなくても、唯くんにはお姉ちゃんが居ないとダメなんだね…」


まあ、お姉ちゃんが居なくてダメになるのは、唯くんだけって訳じゃないけど。


「雪兄も千尋もどっか行っちゃったし…」


お姉ちゃんが去って、それを追うように二人揃って何処かへ行ってしまった。


「こんな時に、何処に行ったの…」