桜の誓い 2

-桜side-


「もしもし?…ええ、いきなりでごめんなさいね。今日からそっちに行っても大丈夫かしら。…少し、問題があってね。もう、こっちには居られないのよ。…あら、そう言ってくれて嬉しいわ。じゃあこれから向かうわ。…ええ、また後で」


…ふぅ。


「…ふふ。終わっちゃった…なぁ」


もう、あの幸せな、暖かな場所には戻れない。


「…っ」


泣いたら駄目。


「…強くっ…強くならないと!」


?「…桜」


…っ?!


「…何だ、雪兄と千尋か」


千「姉ちゃん、やっと見つけたよ」


雪「車用意したぞ。向こうに置いてあるから行くぞ」


「ええ、ありがとっ…」


千「姉ちゃん、泣きなよ。今なら俺たちしか居ないし。外が嫌なら車で泣けばいい。姉ちゃんは、全部一人で背負い込み過ぎ」


千尋…。


「ごめっ…。少しだけ、泣かせて…」