「ごめんね?琥珀が可愛すぎて…許して…?」
耳元で甘く囁かれ、我慢のきかない私は早々に許してしまった。
「わ、わかったから…!離れろ馬鹿…!」
そう怒り気味に言った私に透夜は
「ん?ヤだ」
とんでもなく甘い笑顔でそう言った。
「はぁ…!?意味わかんね…」
そこまで言ったとき着信音が教室に響き渡った。
「うるさっ…」
あまりの音のデカさに耳を覆うと透夜は舌打ちをしてあたしから離れた。
「なんなんだよ良いときに…」
透夜はそう言いながら携帯を眺めていた。
暫くして鳴り止んだ携帯に溜息を吐いていると。
「もしもし…………は?ふざけないでよ、俺だっていろいろ…………ちょ、おい!」
どうやら電話だったらしく、話し始めた透夜は少しして怒り始めた。
しかし相手側に一方的に通話を終わらせられたようで物凄く不機嫌になった。
「透夜?どうした?」
そう声をかけるとくるりとこちらを向いた透夜はぎゅっとあたしに抱きついてきた。
「…もうすぐあいつらがここに来る」
透夜はとても言いづらそうにそう言った。
「あいつら…って秘龍の連中か?」
「…ん…」
透夜の返事に思わず溜息を吐いた。
「ごめん…!断ろうとしたんだけど全然話聞いてくれなくて…」
謝ってくる透夜に苦笑する。
だって透夜に溜息を吐いたわけじゃないから。
生徒会室からここまでは歩いて10分15分というところだ。
話を聞かない奴は一人しか思い当たらない。
せっかちで忙しなく動き回るあいつ。
あいつが電話をかけるのは目的地に着く数分前。
となるとあたしが今からここを出たら秘龍の連中と出くわしてしまうだろう。
そのことについ溜息を吐いてしまったのだ。

