深夜のファミレスはとても空いていた。
テスト前らしい学生っぽい人が奥の席を陣取り、そのすぐ横に私とそう歳の変わらない子達がたむろしていた。
何が楽しいのかやたらと大きな声で笑いあい、店内にその声を響かせている。
込み入った話をするなら、こんな場所がいいのかもしれない。
誰も私たちに関心のない空間と、その他の雑音が会話を消してくれるから。
「さっきは、ごめんね」
少し落ち着いたらしいアヤメさんは、椅子に腰かけて無駄にアイスコーヒーの氷をつつきながらそう言った。自分で注いで来たのに、一度もそれに口をつけていない。
「別に、暇だから」
私はアイスコーヒーの中で浮き沈みを繰り返す氷を見つめながら、素っ気なくそう答えた。
暇だというのは嘘ではない。
今日は、きっともう湊に会えない。
目的がなくなった以上、他にすることも見つからない。
それならこの人から少しでも多く湊に関する情報を収集する方が、闇雲に動き回るよりずっと合理的だろう。
私はぼんやりとした頭でそんなことを考えた。
さっき見た湊の顔が頭に染みついて消えない。
湊がこの人を拒絶したのに、まるで拒絶した本人が一番傷ついているようなあの顔が。
テスト前らしい学生っぽい人が奥の席を陣取り、そのすぐ横に私とそう歳の変わらない子達がたむろしていた。
何が楽しいのかやたらと大きな声で笑いあい、店内にその声を響かせている。
込み入った話をするなら、こんな場所がいいのかもしれない。
誰も私たちに関心のない空間と、その他の雑音が会話を消してくれるから。
「さっきは、ごめんね」
少し落ち着いたらしいアヤメさんは、椅子に腰かけて無駄にアイスコーヒーの氷をつつきながらそう言った。自分で注いで来たのに、一度もそれに口をつけていない。
「別に、暇だから」
私はアイスコーヒーの中で浮き沈みを繰り返す氷を見つめながら、素っ気なくそう答えた。
暇だというのは嘘ではない。
今日は、きっともう湊に会えない。
目的がなくなった以上、他にすることも見つからない。
それならこの人から少しでも多く湊に関する情報を収集する方が、闇雲に動き回るよりずっと合理的だろう。
私はぼんやりとした頭でそんなことを考えた。
さっき見た湊の顔が頭に染みついて消えない。
湊がこの人を拒絶したのに、まるで拒絶した本人が一番傷ついているようなあの顔が。



