始業式の日以来、氷野くんと偶然会うことがあれば、いっしょに帰っている。
ちなみに、朝は基本的に氷野くん起きるのが遅いみたいで、会うことは全然ない。
だから、いっしょに帰れる日は運がいい日って、ちょっとした占いみたいな感覚。
「はあ、やっとついた〜」
ひとりで帰ると道のりが長く感じるな〜。
氷野くん効果、おそるべし。
「……あ」
ふう、と階段に足をかけたところで、誰かの声が聞こえて足を止めた。
わたしが歩いてきた道とは反対の道を見るように、階段から顔を出す。
「氷野くん!」
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