「なに?」
イジワルっぽい顔で、どっちかって言うと機嫌のよさそうな顔で、氷野くんは笑っていた。
その笑顔にわたしはカウンターをくらった気分になった。
たまに、たまーに笑って、それは無自覚で……タチ悪いよほんと。
「なんでもないです!!」
これからは学校で氷野くんと話せたりするのかなぁ。
今朝もあいさつしてくれたし、いっしょに帰ってるし、今日はなんていい日なの。
1年生の頃は想像もしなかったよ……。
氷野くんモテるけど、女の子に囲まれてるなんてことはなかった。
氷野くんが女の子を相手をしないのもあるけど、なにより近づきがたいから。