純情ラバーズ






ささっと電柱の陰に隠れて、頭だけおそるおそる出してみる。


紺色のリュックに、ゆるキャラっぽいストラップがぷらぷらぶら下がっている。



「氷野くん……もっとはやく歩いてくれないかなあ」



なにも悪くないゆるキャラストラップを、恨みがましく見つめる。



氷野くんといっしょに帰るなんて、レベルが高すぎるんですよ。


この前スーパーで会ったときは、成り行きでいっしょに帰ったけど……。


いやさ、スーパーから出た途端「わたし先に帰るんで!」とか感じ悪いじゃん!



って、今はそんなことどうでもよくて!


とにかく、はやく! はやく行って!



「……なにしてんの」