「……おはよ、もも」
「!」
バッと勢いよく左を見る。
すると、わずかに目を見開くけどたいして表情の変わらない氷野くんがいた。
「お、おは、おはようございます!」
「よく噛むな」
ひとり暮らしを始めて、学校で氷野くんと話すのは今日がはじめて。 今日が新学期初日だからあたりまえだけど。
な、なんかドキドキする……!!
「それじゃ」
わたしにあいさつするために立ちどまってくれたらしく、氷野くんはそう言うと友達を追いかけていった。
ていうか氷野くん、さらっと呼び捨てしてくるなぁ……。
スマートすぎる……!