ぽかんと見上げると、楽しそうに含み笑いをしている氷野くん。


い、いやな予感……。



「今日はウソついていい日だろ」


「はっ! エイプリルフール……!!」


「んー」


「だからってわたしのことダマしたんですか! 氷野くんの鬼!」



心臓に悪いよ、そんなウソ!


もっとこう……実は「オネエなんだ、俺」とかのほうがよかった!!



「鬼って……」


「笑顔は天使並みにかわいいですけど!」


「……はあ、それはどーも」



ああああ、なんかさらっと氷野くんのことほめてしまった!!


本人はわたしの好意になんてこれっぽっちも気づいてないけどね!