純情ラバーズ






夢みたいだなぁ。


まったく接点がない氷野くんと、こうして話せてること。



お隣さんじゃなかったら、氷野くんを見つけた瞬間に「あ!」なんて言えないし、氷野くんだって反応してくれない。


そしたらこう……。



「メロンパンとクリームパンと……あ、それ取って」



パシられることもなかったのか。


なんだか複雑な思いでスティックパンを手に取り、氷野くんが持つカゴに入れる。


これはわたしが持ってきたカゴだよね。 わたしの買いものはどうなるのか……。



「あんたは? なに買うの?」


「へっ、わたし? えっと、卵買わなくちゃいけなくて……」