チャイムを押してすぐに出てきてくれたのははじめてで、思わず心の声がもれてしまった。
「あっ、すみません! 上に引っ越してきた茅ヶ崎百華です。 これ、どうぞ。 よろしくお願いします!」
お菓子を手渡してから頭を下げた。
頭を起こすと、にかっと歯を見せて笑ってくれた女の人。
笑顔は幼くてかわいいけど、雰囲気はおとなっぽい人だなあ……。
「矢巾(やはば)です。 茉美(まみ)でもなんでも好きなように呼んでね!」
「はい! えと、茉美さんは大学生ですか?」
そうたずねると茉美さんはうん、とうなずいて、肩につく茶髪がさらりとゆれた。



