「次は203か……」



廊下を歩いて自分の部屋の前を通り過ぎていちばん奥。


ここの人はいるかな……。



ーーピーンポーン。



「……また、いない?」



チャイムを押しても反応がなくて、ぽつりとひとりごとをもらす。


どうしよう。 お菓子は日が持つものだとは思うけど、はやく渡したほうがいいよね……!



「……誰?」


「!?」



出直そう、と思ったところでドアが開いて思わぬ人物が出てきた。



「な、なななんで……」



開いた口がふさがらない。


鳩が豆鉄砲を食ったよう、とはまさに今のわたしを表している。