お母さんの声は安心する。
そんなことを思うわたしは、まだまだ親離れできてない気がするなあ。
「料理はまあ普通にできるけど……」
「お部屋もきれいだし、百華ってマイペースだけど、意外としっかりしてるわよね〜」
意外ってね……。
あいまいに笑いながら、諦めの悪いわたしはまた口を開く。
「お母さんだけ日本に残ることはできないの? わたしが高校に通う間だけとか……」
お父さんに単身赴任してもらうっていう手がある。
たったひとりで海外へ行くなんて大変だとは思うけど、わたしもお父さんを心配する余裕があんまりないというか……。