純情ラバーズ






……まあ、仕事の都合だからしょうがないってわかってるけどね。



「お父さん、そろそろ行かないと!」


「ああ、そうだな……」



お母さんがお父さんの背中に手を添えながら、キャリーバッグを持たせる。


お父さんのほうが心配だ……。



「じゃあね、百華!」


「元気でな、百華。 なにかあったら電話でもなんでもしていいからな。 それに」


「お父さん! タクシーきましたよ!」



まだなにか言おうとするお父さんに、お母さんが急かす。


ほんと、心配性だなあ。



「いってらっしゃい、ふたりとも。 時差考えて電話するからね!」