純情ラバーズ






「なんでもない! えっと、勉強しよっか!」


「おー、そうだね」



わたしはさっき座っていたソファー側に腰を下ろし、氷野くんはその向かいに座った。


勉強に集中できたら、変にドキドキしたりしないはずだ……!



「あ、英和辞書ある?」


「うん、電子辞書だけど……」



氷野くんに電子辞書を手渡そうとしたら、なぜかストップと手で制された。


あれ、いらないのかな……?



ふしぎに思っていると、立ち上がった氷野くんがわたしの隣に座り直した。


瞬間、ふわりと甘い香りが鼻をかすめる。



「なんか、向かい側って遠い」