氷野くんのダンス、楽しみだなぁ。


なんて思いながら、「がんばってね!」と見送ると、氷野くんが難しそうな顔をして振り返ってきた。



「氷野くん?」


「ダンス見なくていいから」


「えっ?」



小さな声で、早口で言うものだから、よく聞こえなかった。


それでも、氷野くんの顔がほんのり赤くて照れていることはわかった。



「ふふ、氷野くんって変なところで照れるんだね!」


「……うるさい」



むっとした顔されてもかわいいだけです、氷野くん。



こうして、応援合戦も終わり、無事体育祭は幕を閉じた。


氷野くんのかっこいいダンス姿は、わたしの目にばっちりおさめることができた。