気になったけど、ふたりがあまりにもいい雰囲気だから自粛することにした。
またゆっくり話せたらいいなぁ。
「……おーい? 俺もいるんですけど」
ふいに、わたしの大好きな優しい声が耳に流れこんできた。
ドキドキとうるさい心臓を静めて、そっとそちらに振り向く。
「カップルはよそでやれよ。 見てて寒気する」
「うっわ、ひでえな! 自分のお姉さんと親友がめでたくつき合えたのに」
「べつに、めでたくない。 つーか、親友って、それこそ寒気する」
開口一番、毒をはくのは、今日も執事服をかっこよくきこなす氷野くん。
ゆるめられたネクタイに、視線が向く。
きつく結んであるのも好きだけど、ゆるく結んであるとドキッとするんだよなぁ。



