純情ラバーズ






氷野くんが切なそうに目を伏せて、思わず見惚れる。


すると、氷野くんはすぐに視線を上げて、わたしを見た。



その目に見つめられただけで、全身が心臓になったみたいで。


うるさい心臓のせいで、氷野くんの言葉が聞こえないんじゃないかと思うくらい。



とにかく、ドキドキ、していて。



「……教えて、もも」


「っ、ひゃ」



おろしている髪を一筋すくって、ささやくように名前を呼んだ。



ずるいよ。


わたしに、言わせようとするの?



好きだよ。


その言葉は、もちろん、まだ心の中でしか言えていなくて。



でもふと、心臓の音が大きくて、告白しても聞こえないかも、なんておかしなことを思った。


もう、言うしか、ない……っ。