ドキッと心臓が跳ねた。
この声に"もも"って呼ばれるのは、いつまで経っても慣れない。
「ひ、氷野くん……」
黒のジャケットはきていなくて、カッターシャツにネクタイをつけている氷野くん。
な、なんでこんなタイミングで氷野くんにねこ娘の衣装を見られるの……!!
「……もう、終わったの?」
「あ、いや、宣伝してって追い出されちゃって……」
「じゃあ、俺がさらってもいい?」
え?
なんだ、と氷野くんの顔を見つめたときにはもう、カレに腕を掴まれていた。
……へ?
ちょっと待って、なんで氷野くんはわたしの腕を掴んでるの……?
「茅ヶ崎〜、お疲れさん! もう上がっていいよー!」



