「いただきまーす!」
さみしい顔したら、お父さんとお母さんに心配かけると思って、元気よくからあげに箸をつけた。
お母さん手作りのからあげがいちばんだけど、スーパーのもなかなかおいしい。
ひとりで暮らすと、からあげなんて大量に作れないし、買うほうがいいよな……。
「百華、夏休みには日本に帰るからね」
いろいろ考えていると、お母さんの優しい声。
箸を止めて、横に座るお母さんのほうへ顔を向ける。
「ひとり娘をおいていくなんて心配でたまらないからな。 ゴールデンウィークには帰れたらいいな」
すると、お父さんもわたしを見つめてそう言った。