純情ラバーズ






ひとりでぽつり、とつぶやいたとき誰かの足音が聞こえてきた。



「あ、百華ちゃん! 交代だよ。 廊下で宣伝してもらってもいい?」


「せ、宣伝!?」


「そうだよ〜! なんのためにその衣装を作ったと思ってるの!」



そう言って楽しそうに微笑むのは、衣装係の女の子だった。


「集客期待してるよ〜」と背中を押されてわたしはされるがままに廊下へ出る。



「わっ……」



よろっと廊下に倒れこむ勢いで飛び出し、さっきのように視線を感じた。


お化け屋敷や、隣である3組のカフェの列に並ぶ生徒たちから浴びる好奇の視線。



ひい〜! 予想外なんですが!!


宣伝って、なにも持ってないのにどうすればいいんだ!



「……もも?」