わたしのシフトが1時からでよかった〜、なんて思いながら3組の前で足をとめる。
"準備中"と書かれたダンボールが教室のドアにぶら下がっている。
「ほら、まだやってないよ。 うちのとこだって、準備中だし」
「そうだね。 気がはやすぎたか……」
肩を落として、4組に入ろうとしたとき、ガラッとドアの開く音が聞こえた。
ありちゃんが4組のドアを開けると同時に聞こえた、もうひとつの同じ音。
反射的に顔を向けると、わたしはあまりのかっこよさに息をのんだ。
「お、ぐうぜん」
執事服姿の氷野くんが、そう微笑んだ。