「ありちゃん、はやく!」
「わかってるって!」
午前中は、吹奏楽部の演奏をまじえたオープニングセレモニーと、1年生の合唱発表であっという間に過ぎた。
そして、今、わたしたちは体育館から教室に向かって急いでいる。
「12時からでしょ? まだなってもないのに急ぎすぎ〜」
「だって、すぐ満員になりそうだもん! 一瞬でいいから執事服拝みたいの!」
氷野くんの執事服を拝まない限り、わたしの八高祭は始まらないというか!
いっしょに回るときは制服に着替えちゃうだろうし……。
とにかく、写真撮りたいとは言わないからチラッと見たいの!