「それじゃあ、2時半に氷野くんの教室にいってもいい?」


「ん、わかった」



まるで、カップルみたいな会話に思えて、頬がかあっと熱を帯びた。


な、なに自惚れてんのわたし……!



「じゃ、お互いがんばろうな」


「う、うん!」



氷野くんの執事服姿を見るためには、1時より前に3組にいかないと……!


ひとりだったら、中に入らないでこっそり見ようかな。



「よかったね、百華」


「あ、ありちゃん!」



男女別の出席番号順に並ぶと、ありちゃんがわたしの前になる。


列に並んで座ると、さっきより回りが静かになっていた。



もうすぐ、始まるんだ。