純情ラバーズ






ホッとしたようにやわらかい笑みを見せる氷野くん。


カレの笑みに、わたしの心臓はドキドキとうるさくなる。



氷野くんに腕を引かれ、人の少ないところで向き合う。


まだ全校生徒が集まっていなくて、どこかで点呼の声も聞こえる。



「もものシフト、聞いてなかったと思って……急に引っ張ってごめん」


「え、や……わたしこそ、わたしが誘ったのに聞かなくてごめんね」



真琴ちゃんの存在で、引けないって、引いちゃだめだって、がんばったけど。


いちばん肝心な、氷野くんと接することがちゃんとできてなかった。



「謝んなくていいよ。 今、話せたから」