口をとがらせてすねてみると、ありちゃんはちらりとこっちを見るだけで、ペンキぬりの手は一瞬しかとまらなかった。
「あのね、いっしょに回れそうなの!」
「おっ」
「これは神様が告白しろと言ってるのかな!?」
ありちゃんが反応してくれて、わたしはさらにテンションが上がった。
ふふふふ、とさっきより気持ち悪い笑みがとまらない。
「楽しみだね、当日。 衣装も」
「楽しみー!!」
八高祭まで、残り2週間を切った。
告白をしようと決めてる人や、友達と盛り上がろうとしてる人もいたり、学校全体の空気にも熱が入ってきた。
氷野くんと八高祭、回れますように。