ふー、と細く息をはく。


ため息じゃなくて、気持ちを落ち着かせるために。



八高祭、ふたりで回ることができたらまた気持ちを伝えてもいいかな。



「百華!」


「あれ? ありちゃん」


「衣装の採寸するから、はやく戻ってきてほしいって」


「えっ、衣装!?」



わたしに衣装があるの!?


看板作りと、当日は受付をやるはずなんだけどな。



よくわからないままありちゃんに連れられて教室に戻ると、女の子数人に囲まれた。



「肩回りと座高、測らせてね〜」


「わ、百華ちゃん華奢だなぁ」



衣装係は、家庭部という女子力のかたまりな女の子たちが中心になってやっている。


いつの間に、わたしの分の衣装を作ることになったんだ……!