純情ラバーズ






ふいに背中から声をかけられて、わたしはびくっと肩を上げた。



「なんだ、江藤くんか……」


「いや、なんだってひどいな」



ははっ、とたいして傷ついてなさそうな顔で笑う江藤くん。


やっぱり掴めない人だなぁ。



「あ、別に偵察ではないです。 わたしのクラスお化け屋敷なので」


「へえ、楽しそうだね。 じゃあお目当てはあれかな?」



江藤くんはにっと口角を上げて、教室の奥のほうを指さした。


ならってその方向を見ると、わたしは目を丸くした。



「氷野くんが女の子に囲まれてる……!」



なにごと!?


なんだかすごく楽しそうな雰囲気だし。